建築解体からのゴミを再生!持続可能な未来への道

プロフィール
菊池 隆弘

現役解体工事職人、解体歴14年で今までに500棟解体以上の建物を解体。

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所属:有限会社 菊恵工業 

解体工事における産業廃棄物の種類とリサイクル方法

建築物を解体するときに発生する廃棄物はどうなっているのでしょうか? その処理方法やリサイクルの現状について、詳しく解説します。

解体工事で発生する廃棄物の種類

解体工事で発生する廃棄物は、建物の種類や構造によって異なりますが、主なものは以下の通りです。

●木くず:木造建築物や内装材などから出る木材や合板など。
●コンクリート塊:鉄筋コンクリート造やブロック造の建築物から出るコンクリートやブロックなど。
●鉄くず:鉄筋コンクリート造や鉄骨造の建築物から出る鉄筋や鉄骨など。
●プラスチック類:窓枠や配管などから出るプラスチック製品など。
●石膏ボード:内装材として使われる石膏ボードや天井材など。
●紙類:壁紙や断熱材などから出る紙製品など。
●外壁材類:サイディングやタイルなどから出る外壁材など。
●ガラス:窓ガラスや照明器具などから出るガラス製品など。
●陶器類:トイレや洗面台などから出る陶器製品など。

これらの廃棄物は、廃棄物処理法に基づいて「産業廃棄物」として扱われます。産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、法律で定められた20種類のものをいいます。産業廃棄物は、その性状や処理方法によってさらに細かく分類されますが、ここでは詳しく説明しません。

解体工事で発生する廃棄物の処理方法

解体工事で発生する廃棄物は、その受注者(元請業者)が処理責任を持ちます。処理責任とは、自分の廃棄物を適切に収集・運搬・処分する責任のことです。元請業者は、自らその廃棄物を収集・運搬する場合は許可が不要ですが、他の業者に委託する場合は許可が必要です。また、処分する場合は、適切な処分場を選び、法律で定められた基準を守らなければなりません。

解体工事で発生する廃棄物の処理方法には、大きく分けて「埋立処分」と「リサイクル」があります。

埋立処分

埋立処分とは、廃棄物を陸上や水面に区切った場所に埋めて最終的に処分することです。埋立処分場は、廃棄物の種類や量に応じて「中間処分場」と「最終処分場」に分けられます。

– 中間処分場:廃棄物を減量・減容化・安定化・無害化・資源化するための処分場です。焼却・破砕・選別・圧縮・成形・中和・脱水などの操作が行われます。
– 最終処分場:廃棄物を最終的に埋めるための処分場です。廃棄物の環境への拡散や流出を防ぐために、貯留構造物を造成し、廃棄物を埋めて自然に戻そうとするものです。遮断型・安定型・管理型の3つに分類されます。

埋立処分は、廃棄物の量が多く、リサイクルが困難なものに対して行われます。しかし、埋立処分には以下のような問題があります。

●埋立処分場の確保が困難であること
●埋立処分場からの悪臭や有害物質の発生が環境や健康に影響すること
●埋立処分場が地盤沈下や地震などで崩壊する危険性があること
●埋立処分場が有効な土地利用を阻害すること

リサイクル

リサイクルとは、不用物を処理・加工して、再び有用物として利用することです。リサイクルには、「再利用」「再資源化」「再商品化」などが含まれます。

解体工事で発生する廃棄物の中でも、特定建設資材(コンクリート・アスファルト・コンクリート・木材)については、「建設リサイクル法」という法律でリサイクルが義務付けられています。この法律では、一定規模以上の解体工事や新築工事において、元請業者は「分別解体」と「再資源化」を行わなければなりません。

●分別解体:解体工事で発生する廃棄物をその種類ごとに分別しつつ計画的に施工することです。
●再資源化:廃棄物を減量・減容化・安定化・無害化・資源化することです。

リサイクルは、埋立処分に比べて以下のようなメリットがあります。

●廃棄物の量を減らして埋立処分場の負担を軽減すること
●廃棄物を有効利用して資源の節約や経済効果を生むこと
●環境負荷を低減して地球温暖化や環境汚染を防ぐこと

解体工事で発生する廃棄物のリサイクル方法には、以下のようなものがあります。

●木くず:木質チップや木質ペレットなどの木質燃料として利用したり、パーティクルボードなどの製品として利用したりします。
●コンクリート塊:細かく破砕して、骨材や土壌改良材として利用したり、セメントやコンクリート製品として利用したりします。
●鉄くず:溶解して、鉄鋼製品や鉄筋として利用したり、鉄粉として利用したりします。
●プラスチック類:溶解や加熱などで再生プラスチックとして利用したり、プラスチック製品や燃料として利用したりします。
●石膏ボード:水に溶かして、石膏と紙に分離し、再び石膏ボードや肥料として利用したりします。
●紙類:水に溶かして、再生紙やパルプとして利用したり、紙製品や燃料として利用したりします。
●外壁材類:破砕や溶解などで再生外壁材として利用したり、建築資材や燃料として利用したりします。
●ガラス:破砕や溶解などで再生ガラスとして利用したり、ガラス製品や建築資材として利用したりします。
●陶器類:破砕や焼成などで再生陶器として利用したり、陶器製品や建築資材として利用したりします。

解体工事における産業廃棄物のリサイクルの現状

解体工事における産業廃棄物のリサイクルは、近年ますます重要視されています。特に、建設リサイクル法の施行によって、特定建設資材のリサイクル率が大幅に向上しました。例えば、2019年度のコンクリート・アスファルト・コンクリートのリサイクル率は98.1%であり、これは世界でもトップレベルです。

しかし、解体工事における産業廃棄物のリサイクルにはまだ課題もあります。以下にいくつか挙げます。

– リサイクルされた資材の品質が低いこと
– リサイクルされた資材の需要が少ないこと
– リサイクルされた資材の価格が高いこと
– リサイクルするための技術や設備が不十分なこと
– リサイクルするための法律や制度が不完全なこと

これらの課題を克服するためには、以下のような取り組みが必要です。

– リサイクルされた資材の品質を向上させるための技術開発や検査制度の整備
– リサイクルされた資材の需要を増やすための普及啓発や優遇措置の導入
– リサイクルされた資材の価格を下げるためのコスト削減や市場形成の促進
– リサイクルするための技術や設備を充実させるための投資や支援
– リサイクルするための法律や制度を改善するための見直しや調整

まとめ

解体工事における産業廃棄物は、埋立処分よりもリサイクルすることが望ましいです。リサイクルは、廃棄物の量を減らし、資源を節約し、環境を守ることができます。しかし、リサイクルにはまだ多くの課題があります。これらの課題を解決するためには、関係者の協力と努力が必要です。解体工事における産業廃棄物のリサイクルは、持続可能な社会を実現するための重要な一歩です。

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